20代の頃、私は建築用鉄骨ファブリケータで設計者として働いていました。大学でも留年しており、勉強もそこまで得意ではなかったため、就職先が見つからず、就職浪人をしていました。厳しい就職市場に直面しながらも、先輩からの紹介で幸運にもその仕事に就けたのです。
しかし、私はその仕事の要求には対応できず、先輩たちからも嫌われる存在であることを早々に悟りました。そんな中でも、社員としての人権をまるで認められず、休憩時間もほとんどなく、土日も出勤を迫られ、1日14時間以上働かされる日々に辛さを感じていました。でも、一番つらかったのは現場担当のベテランがトラブルを起こしている現場にゴネて行きたがらなかった時でした。そんな時は、一番若手の私が一人で現場に行かされて、人柱になることでした。当然、現場の段取りの仕方なんかはわかるはずがありませんでした。ひどい時は、鳶職人に暴力を受けたり、事故で死にかけたりもしました。本当に悲惨な状況でした。
そんな中、私に光明が訪れたのは、ヴィレッジヴァンガード 天白本店で見つけた一冊の本でした。その本は、1冊だけ置いてあり、なぜか表紙がボロボロでした。でも何か惹かれるものがありました。「誰でもできるのに、ごくわずかな人しか実行していない、成功の法則」というタイトルで、トヨタの社長も読んだと言われるこの本を手に取りました。著者は、ホームレスから出発して、学歴や背景に関わらず、自分自身の情熱を追い求め、夢を追いかけることができた人物でした。
正確な内容は忘れてしまいましたが、この本を読んで私は自分自身の力に気づき、やりがいのない仕事から脱却して、より意義ある人生を歩むことを決意しました。当時の社会的プレッシャーにも関わらず、この環境で働き続けることが自分にとってはさらなる苦痛を招くだけだと悟りました。そこで、自分自身の運命をコントロールし、本当に大切なことを追求するために、その仕事を辞める決断をしました。
誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則
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