FX自動売買で「やらないこと」を決めた話 ― 3つの仮説を潰した1日

50代のリアル

改善案が浮かぶとワクワクする病

FXの自動売買をやってると、定期的にこういう衝動が来る。

「もっと良くできるんじゃないか」

「この手法を組み合わせたら勝率上がるんじゃないか」

わかる。めっちゃわかる。俺もそうだから。

で、先日も3つの「これイケるんじゃね?」っていうアイデアが浮かんだ。統計的アービトラージ、外部データの活用、ファンダメンタル特徴量の追加。どれも聞こえはいい。なんか賢そうじゃん。

結論から言うと、3つ全部ボツにした

今日はその過程を書いてみる。

仮説1:統計的アービトラージ

まず最初に試したのがこれ。相関のある通貨ペア同士の価格差が開いたら、それが戻る方向にポジションを取るっていう手法。

理屈はシンプル。例えばユーロドルとポンドドルって、だいたい似たような動きをする。でも一時的にズレることがある。そのズレが戻るところを狙う。

で、実際にバックテストしてみた。

結果、取引コストを入れると利益が消える

スプレッドとスワップを考慮しない夢の世界では勝てる。でも現実は甘くない。小さな価格差を狙うから、コストの影響がデカすぎる。個人トレーダーがやる土俵じゃなかった。

仮説2:外部データの活用

次に考えたのが、価格以外のデータを使うこと。ニュースセンチメント、経済指標の発表スケジュール、SNSの盛り上がり。そういうのを組み合わせたら予測精度が上がるんじゃないかと。

調べてみた。

で、気づいた。そのデータ、もう価格に織り込まれてる

例えば重要な経済指標の発表前って、価格はもう動き始めてる。みんな知ってるから。俺が「これ使えるかも」って思った時点で、プロのトレーダーはとっくに組み込んでる。

しかも外部データって取得が面倒だし、リアルタイム性の問題もある。コストと手間に見合わない。

仮説3:ファンダメンタル特徴量の追加

最後は、金利差とかGDP成長率とか、そういうマクロ経済の数字を特徴量に加えること。

これも同じだった。

金利差が為替に影響するのは事実。でもそれって、すでに価格に反映されてる。金利が上がりそうって情報は、上がる前から織り込まれていく。市場ってそういうもんなんだよね。

後から「この時期は金利差が大きかったから円安だった」って説明はできる。でもそれを使って未来を予測できるかっていうと、話が違う。

「価格にはすべて織り込まれている」という結論

3つの仮説を検証して、共通の結論に辿り着いた。

使えそうな情報は、もう価格に入ってる。

これって、効率的市場仮説ってやつに近い。完全に効率的ではないにしても、個人が簡単にアクセスできる情報で優位性を持つのは難しい。

じゃあ何で勝負するか。

結局、価格そのものの動きを丁寧に分析するしかない。テクニカル分析って古臭いイメージあるかもしれないけど、価格には全部の情報が集約されてる。だったら価格を見るのが一番シンプルで合理的。

「やらない」を決める価値

正直、この1日は無駄だったのかって一瞬思った。

でも違う。やらないことを決められたのは、めちゃくちゃ価値がある。

アイデアが浮かぶたびに手を出してたら、どれも中途半端になる。リソースは有限。50代の派遣社員が使える時間とお金には限りがある。

だからこそ、「これはやらない」って明確に決めて、既存の路線に集中する。そっちの方が結果的に近道だと思う。

3つの仮説を潰したおかげで、迷いがなくなった。今やってるシンプルな価格ベースの戦略を、もっと磨いていく。それだけに集中する。

やらないことを決めた1日。これはこれで、前に進んだ1日だったと思ってる。